ある一つの能力に優れた人が”いいひと”とは限らない
先日ラジオで霊的事象に詳しいある芸人が
「優れた霊能力者が良い人間とは限らない」
と言っていた
霊視で先祖のことを言い当てたりされたら
何かこの人の言うことは聞いたほうがいいかもしれないという気持ちになるのはなんとなくわかる
不思議な能力を持つ人は普通の人とは何か一線を画す選ばれし人なので人間的にも優れているのではないかと思ってしまう
もちろん霊能力を持つ人の中にも良い人、人柄のいい人もたくさんいるだろう
でも人の弱みにつけこんだりする悪い人もいるということだ
我がままで自分勝手な人もいるということだ
普通の人たちと一緒ということだ
当たり前といえば当たり前だが
霊能力と言ったって人類を救うほどのものでもないし
災害を予言して食い止めるわけでもない
人に慕われる人格者とも限らない
才能や能力と人柄は別物ということだ
運動能力が高く世界で活躍できるスポーツ選手
学力優秀でIQが高くノーベル賞を狙えるほどの頭脳
音感と表現力が優れた音楽家
五つ星レストランのシェフ
世界的な建築物を設計する建築士など
突出した優れた能力を持つ人は
各分野にいてその分野においては畏敬の対象だ
生まれ持った能力は一つの個性であり
本人の努力と切磋琢磨で高められた技術や能力が尊いもので誇るべきものだ
でも専門技術の能力と人格や人柄とはまた別物であることだ
僕は子供の頃には運動能力に優れたプロスポーツ選手や格闘家たちを羨ましく思った
苦しいトレーニングに耐える精神があるのであれば
人間的にも強く高貴な人たちと思っていた
もちろん能力もあり人間的にも尊敬できる人達もたくさんいる
競技大会や審査してもらう大会などはないが
優しさ
気遣い
誠実さ
謙虚さ
親孝行 など
それらも能力ではないか
単なる性格と片付けず一つの立派な能力ではないか
何者でもなく有名でもなく
富と名声もない
市井の人たちの中にも立派な能力を持つ人たちが一杯いるのではないか
人を笑わせる芸人たちは笑いの能力に長けた人たちだ
そんな優れた芸人たちも一人の人間であり
笑い以外のことはたいして何もできない人もいるかもしれない
僕が明石家さんまのことを好きなのは
笑いに対して全力で
笑いの能力に長けていて
笑い以外のことには謙虚だからだ
笑ってくれる人たちがいてこその自分であり
応援してくれる人たちがいてこその明石家さんまだということを
謙虚に受け止めていると思うからだ
もちろん他の芸能人もファンの大切さはわかっていると思うが
明石家さんまほどのファンサービスをするのもなかなか難しいみたいだ
笑わせることが能力であるとすれば
笑うことも能力ではないか
笑うということは素直な心持ちでなければならないし
ある程度の心の余裕も必要だ
相手を許容する余裕も必要だ
人を見下げる下卑た笑いもあるかもしれないが
楽しく笑うことは少なくともその瞬間は誠実な一瞬であるはずだ
笑う人たちがいなければ
笑わせる人たちも存在しない