さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

明石家さんまは「笑い」には厳しいが「人」には優しい

 

明石家さんまは「笑い」には厳しい

「ここは戦場や!」
収録現場や舞台を指して、さんまは言う

さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ)では、怖がってか単に嫌なだけかわからないが、この番組の出演オファーがあっても断る中堅・若手芸人もいるくらいだ


長年近くにいる間寛平村上ショージ曰く
お笑いに関しては厳しく怒ったりもするが
その他の仕事以外のことで怒ったところを見たことがないという

他の芸人や会社から半ば見放されていたジミー大西
あそこまでキャラクターを引っ張り出して
人気者へと育てたあげたのは
明らかに明石家さんまの許容力のなせる技なのだ
一つのギャグをマスターさせるのにも何か月もかかったという

写真週刊誌の取材も
「対応するのは面倒やけどあいつらも仕事やからなあ」と
大雨の日には自分の車に乗せてあげて取材を受けたこともあるという

そして写真週刊誌の新人記者の研修に使われるらしい
「さんまさんの取材が出来ないようならこの仕事は向いていない」と判断される
それだけ明石家さんまの対応が優しいことを示している

闇営業問題において吉本興業を辞めた『雨上がり決死隊』の宮迫博之にも手を差し伸べて自分の舞台にも出演させている
かといって宮迫だけの味方をしているわけでもなく吉本興業の会社としての見解と立場にも理解を示し
最後の最後まで『雨上がり決死隊』が解散に至らぬようにと蛍原の立場や想いも尊重しながら見守っていた

SMAP解散時にもさんまは木村拓哉との親交が深いからといって木村拓哉が正しいとか味方とも言っていなくて
「どっちも正しい」とたしかラジオで言っていた

明石家さんまプロデュースの『Jimmy〜アホみたいなホンマの話〜』(Netflix)では
小出恵介のスキャンダルにより配信2週間前に公開延期となり
再度すべて撮影し直す事態になったにも関わらず
恨みめいた言葉は聞いたことがない
それどころかアメリカにいる小出恵介を訪ねて一緒に観劇や食事をして激励をしているくらいだ

まあ明石家さんまは誰にでも優しいというわけでもないと思うが
少なくとも自分と関わった人たちに最大限に優しいのだ
考えに同調するのではなく
安易に同情をするわけでもなく
相手を許容して受け入れるというか受け止めるのだ
それぞれの考えと行動を尊重して許容をするのだ


小出恵介は未成年女性との飲酒と不適切な関係
宮迫博之は闇営業

その他いろんな芸能人のスキャンダルがあるが
どれも良いこととは思わないが
社会的に失墜されるほどの大きな悪事なのだろうか

被害を与えた人や迷惑をかけた相手には十分な誠意ある対応がもちろん必要だろうが
それほど叩かれるようなことだろうか
世間なんて年月が経てば「そんなこともあったっけ?」程度の記憶でしかない
昨今の政治家の所業のほうが余程酷い悪事ではないか


僕は犯罪や不祥事は他人事ではないと思っている
お酒に酔った際にもし自分の好みの素敵な女性に言い寄られたとしたら
欲望を制御できるという絶対的な自信などない

もし自分の大切な人が誰かに故意に傷つけられたりして
加害者に対して強烈に憎しみを抱いた時に
絶対に自分を制御して聖人君子みたいにできるという確固たる自信はない

明日の食べる物さえ無い状態に追い詰められた時に
人の物を盗んでしまうことが自分にもあるかもしれないと思っている

犯罪を擁護しているわけでもないし
罪がないと言っているわけでもない

自分もいつ同じ境遇になるかわからないし
自分は絶対に犯罪者にはならないという言い切る自信はないということだ

それだけ自分は弱い人間だと思っている


明石家さんまの優しさは許容するチカラだ
人を受け入れるチカラだ
自分とは違う人間もいると理解するチカラだ
人は間違いを時には犯すこともあると許容するチカラだ


明石家さんまは笑いには厳しく中堅若手には怖い存在だとは思うが
人を許容するチカラが半端なく大きいのだ

明石家さんまは人間には優しいのだ


大きな大きな父性で
大きな大きな笑いで

そして自分の背中と行動で周りを照らすのだ