さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

仕事は需要と供給、上も下もない

 

「県庁はシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりということと違って、皆様は頭脳、知性の高い方です」

先日の静岡県知事の新入職員への訓示の中での発言が問題になった

第一次産業への職業差別との批判があり、結果的に辞職する結果となった
シンクタンクである県庁に勤めることができる人たちが頭脳的に優秀であることに異論はないが
それは少なくとも新入社員の時点ではあくまで机上において数字や言語を駆使する能力が優秀なだけだ
仕事のノウハウを身に付けるためのスタートラインにすぎない

農業・漁業・林業・畜産業においては
天気や大雨に対する予測や風の動き、地質の理解など自然を相手にした対策は机上の学問だけではノウハウなど身につかないし、検索して簡単に調べただけで仕事に活かせるほど簡単で生易しいものでもない


職業は得意不得意、適正不適正があるだけで
職業そのものに上下関係などない
大事なのはその仕事が好きかどうかと誇りを持って携わることができるかどうかだ


組織のTOPになり
その地位と責任を意識して
誇りと自信を持つことはとても重要なことだが
組織なんて
上の者がいなければ下の者はまとまらないし
下の者がいなければ上の者は成り立たない
部下が居なければ上司や長の存在はそもそも成り立たない

地位に捉われ
地位にすがりつく者は
地位に最後に裏切られる


すべての仕事は需要があってこその供給だ
組織には上下関係は必ず必要になってくるが
職業に上下関係も貴賤などない

牛や豚を食用として育ててくれる人たちがいて
そして屠殺(とさつ)する人たちがいてこそ
僕たちは美味しいお肉を食べることができている


芸能人や芸人だって同じだ
応援してくれる人たちがいなければ成り立たない
笑ってくれる人たちが居なければ成り立たない


国民を笑いに包む芸人がいれば
それを観て笑う人たちがいる

笑う人たちはほとんどが名もなき無名な市井の人たちだ

製造工場のラインで働く人
ショップやスーパーの店員
工事現場の人
警備をする人
運転をする人
事務作業をする人
畑仕事をする人
畜産をする人
漁業をする人
お酒を提供する人
接客する人
医療に従事する人
物流に関わる人
製品を作る人
製品を考える人など

そんな人たちが日本を支えている
すべては需要と供給であり
相乗効果なのだ


そして明石家さんまは視聴者を笑顔にすること
このいたってシンプルな役割を
50年以上ぶれることなく
今もなお続けている

応援してくれているファンがいるからこそ今の自分がいる
そんなファンへの想いがあることがわかっているから益々応援して笑う
相乗効果なのだ

人を笑わせる人がいるからこそ
僕たちは笑うことができる

逆にいえば
笑うことができる僕たちがいるからこそ
笑いを与える職業の人たちも成り立っている

需要と供給であり
そこに上も下もない

職業に貴賤があるのではなく
人に心に貴賤があるだけで
人の心に上も下もない