さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

「話し上手」は「聞き上手」で「笑い上手」なのかもしれない

笑いは最大公約数の幅広い層に伝わる笑いもあれば
意表をつくあまり気づきにくい深層心理を掘り起こした
そういえばそうだと思わせるシニカルな笑いもある

明石家さんまの笑いはわかりやすく
大げさで張り芸でベタな笑いが多い

嫌いで苦手な人もいるだろうが
どちらかといえば最大公約数の
広く多くの人に親しまれる類の笑いだ
ラジオでは違う手法の喋りをしているが
とくにテレビではそうだ

最近の若い世代の芸人のように
しっかり作り込んだ台本が元になるネタがある笑いが
好きな人たちには、もしかしたら好まれないかもしれない

どちらも笑いには違いはなく
手を叩いて声に出して大笑いすることだけが笑いではなく
ニヤっとするだけの笑いだってある

笑いは単純なようで実は奥が深い
狂気を含んでいる場合もあるし
大きな愛で包む笑いもある

差別の心で見下す冷たい笑いもあるし
人の失墜や失敗をざまあみろとばかりにあざ笑うこともある

 

人との共感を得るには嫌いな物や嫌いな人が共通なほうが
共感しやすく結束しやすいらしいが
同じポイントで笑えることがあるほうが幸せな気がする

笑いのツボはひとによって違うが
たとえくだらないことでも
同じポイントで同じタイミングで
ケラケラ笑い合えているその瞬間は幸せじゃないか

同じ時代に過ごした同級生たちにしかわからない学校ネタ
同じ家で共に生活した家族にしか伝わらない家族の笑い話
どんなことでも思い出して笑い合えることは幸せなことだ


そして人との会話やコミュニケーションにおいて
笑いはとても有効なツールでもある

複雑な深い話ができなくても
笑いがあれば会話のクッションになるし
笑いが起こることによって一気に打ち解けることができる

笑ってごまかすというのも時には相手と距離を保つために必要な手段だ
接客業で会話の上手い人たちは「笑う」という技術を上手に使っている

会話において話す内容を合わせることも重要だが
それは表層的なことで
一番大切なのは呼吸を合わせることだ

何を話そうかということよりも
何を話してもらうかのほうが重要だ
それも無理に根ほり葉ほり聞き出そうとするのではなく
相手のタイミングと喋り方と呼吸とリズムを合わせる

よくあるコミュニケーションマニュアル本などに書かれているように
「話し上手」な人はみんな「聞き上手」だ
相手が心地よく話せるように上手に聞いている


会話の上手な人は相手をよく見ている
目を逸らさず見つめるのではなく
さりげなく違和感なく
相手の表情の動きをよく見て
反応をよく見ている

「この話は気にさわったかな?」

「この話題は興味なさそうだな」

「何か少し寂しそうにしたから、何かひっかかる思い出などがあるのだろうか」

とか瞬時に察して柔軟に会話を軌道修正していく

そして会話が上手い人は笑いに強弱とバリエーションをつける
単に笑うと言っても
口を大きく開いて声に出しての大笑い
含み笑い
こらえ笑い
吹き出す笑い
流すようなつなぎ笑い

そして重要なのは笑顔
声で笑っていても顔が笑っていない人がいる
口で笑っていても目が笑っていない人がいる

本当の笑顔というものは
相手にも伝わるものだ

「話し上手」は「聞き上手」で
そして「笑い上手」なのかもしれない


ただ家庭内において
妻の子育てや家事や家計の心配と苦労を知らずに
夫がお酒を飲みながら
テレビを見て
ノー天気にゲラゲラ笑っていたら
妻は腹がたって仕方がないだろうが・・・


まあ他人との会話と
家族内の会話は別物であり
夫婦の会話にコミュニケーションのマニュアルやノウハウなどは
すべては適用できないだろう

技術でコミュニケーションをとる必要がないからこそ

家族であるはずなんだから