さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

会話の本質は言葉を発することではない

聾啞者同士の会話を近くで見たことがある

声を発していないので見ていたことになるが
でも会話を聞いているようだった

手話を使って
相手の目を真っ向から見て
表情をぶつけ合っていた

まるでケンカのように
必死に伝えあっている
必死に相手の言わんとすることを読み取ろうとしている
必死に自分の言いたいことを伝えようとしている

手話で会話をして
笑いあってもいる
言葉を発することなく笑いあっている

そこには上手く話そうとか
これを言ったら変に思われるだろうかとか
余分な神経を使っていない

中途半端な探り合いもないし
見栄も虚栄心も
すかしたカッコつけもない

情報と気持ちを必死に伝え合おうとしているだけだ


会話とコミュニケーションの本質がここにある

伝えようとする思い
伝えたい思い
相手を知りたいという思い
相手の言いたいことを汲み取りたいという思い
それさえあれば会話はできる

ウケなくても
笑いが起こらなくてもいい
上手く話そうとするから
本質から遠ざかっていってしまう

当たり前のように声を出すことができるから
当たり前のように耳が聞こえるから
僕たち健常者は上手に話そうとしてしまい
これを言ったらなんて思われるだろうかと気にしてしまい
余計な事を言ってしまって相手を傷つけてしまう

声を発することができてしまうばっかりに
耳が聞こえてしまうばっかりに
大切な事が言えず
大切な事を聞き逃してしまう

口が達者なら会話が成り立つとは限らない

会話の本質は言葉を発することではない

言葉の奥にある思いを
見せ合うことだ