さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

僕たちは笑うことで何かを伝えている

 

俺の何かが伝わって
この人はこの人の何かを
俺に伝えてくれている

BUMP OF CHICKEN」の藤原基央
以前テレビのインタビューで答えていた

ライブ会場において自分たちの演奏に
汗だくになり
拳を突き上げ
熱狂する姿を見ての感想だ

自分の作った曲を聴きにきてくれるファンに対して
こんなふうに思えるなんて素敵だ
もちろん多くのアーティストはみんなそう思っているのだろう

この藤原のファンに対する謙虚な姿勢があるからこそ
未だにバンプは根強い人気があるのだろう

僕は世代が違うので詳しくは知らなかった
人気があるのは知っていたが
なぜこんなに長く熱狂的にファンがついているのだろうとずっと思っていた

ゲスの極み乙女」の川谷絵音
僕たち世代はみんな「BUMP OF CHICKEN」の洗礼を受けているみたいなことも言っていた

僕は何でだろうと思ったままであったが
ロストマン」という曲を数年前に聴いたときに
なにかぼんやりと
ファンの気持ちがわかるようになった

そして昨年発表された『窓の中から』を
「18祭」(NHK)において聴いたときに感動してしまった
そしてなぜこんなに多くの人に長く愛されているのかがやっとわかった

BUMP OF CHICKEN」の歌は謙虚なんだ
パワーで鼓舞するわけでもなく
中途半端に優しい言葉を並べるでもなく
一方的でもない
寄り添うような声とメロディーと歌詞が見事に居心地よく佇んでいる


歌うことや
演奏すること
楽曲を創ることに対して
そして耳を傾けてくれるファンたちに謙虚だ

「物を創るっていうのは大変なんだよ」
みたいな上から目線はあまり好きではない
何かをクリエイト出来るのはもちろん
すばらしい才能であり能力だ
必死の努力と苦悩と熟考の末に作り上げたものに違いない

でも作品として世の中に投げた時点で
その作品は見て聞いた人達の解釈がすべてだ

BUMP OF CHICKEN」は
アーティストだからと偉ぶるわけでもなく
クリエイターだからと偉ぶるわけでもなく
自分の曲に何かを感じて
ココロを震わせてくれる人たちに向けて
歌を届けている
だから根強いファンたちがいて
他のミュージシャンからも一目置かれている


笑いも同じだ
みんな好みの笑いがあり
好きな芸人もみなそれぞれ違う

笑いで僕たちの心を揺らして
震わせてくれて
僕たちは笑うことで芸人たちに何かを伝えている

音楽を聴いて感動をするのは
もちろん楽曲の良さがあるからだが
聴く側が何かを感じ
何かで心が揺れて感動して
共鳴して
あなた自身が
僕自身が歌っているんだ

笑わせられているのではなく
笑っているんだ

僕のココロが
あなたの心が
笑っているんだ


それが素晴らしい