さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

花吹雪舞い散るパラダイスナイト

 

笑瓶 「『チュッチュッ』て言うてますよ!にいさん」

さんま「あっ、ごめん今彼女の手にキスをしてんねん」

笑瓶「スズメやと思うたやん! もうちょっとで撃つとこやったやん」

さんま「危ない危ない・・」


文字にするとなんのこっちゃという内容だが
パラダイスナイトで繰り広げられる明石家定食である
笑福亭笑瓶とのパターン芸だ

パラダイスナイトというのは
明石家さんまが高級クラブにおいて楽しく飲んでお喋りをして
アフターでクラブの女性たちを連れてカラオケで大いに盛り上げる会だ
支払いはもちろん明石家さんま

経済的余裕があればこそ出来る豪勢なお遊びだ
人によってはくだらない単なるバカ騒ぎと評する人もいるだろうし
自分も同じように遊んでみたいと憧れる人もいるだろう

もしかしたら女性たちは嫌々で渋々なのかもしれないが
おそらくだが無理強いして誘ってはいないと思われる

 

メンバーは
明石家さんま
今は亡き笑福亭笑瓶
ガダルカナル・タカ
松尾伴内
温水洋一
次長課長河本準一
などその他随時不定期に追加メンバーが入るみたいだ


カラオケで女性陣に歌ってもらうのは
『Darling』西野カナ
スパークルRADWIMPS
木綿のハンカチーフ太田裕美
夜桜お七坂本冬美
『Let It Go〜ありのままで〜』アナと雪の女王

などさんまのお気に入りの曲たち

すべての曲にさんまたちのツッコミやパターン化されたオチが付いている


『Let It Go〜ありのままで〜』では
「少しも寒むくはないわ」の歌詞のところで
事前に上半身裸になっていた明石家さんま
「寒いわ!」でオチとなる

ラストは坂本冬美の『夜桜お七』で
その時にさんまが持参してきた紙の花吹雪を
舞い散らせてお開きとなる

終了となった明け方に
みんなでその散らかった花吹雪を片付けるらしい

番組収録でもなく取材でもなく
その場を目一杯楽しく面白くしようとしか考えていない

ギャラが発生するわけでもなく
ただただ楽しく面白い時間を過ごすために
費やすエネルギーが凄まじい

誰も不幸にしていない
クラブとカラオケ店にはお金が落ちるし
女性たちも自腹を切るわけでもない

参加メンバーたちもご馳走になり
女性たちもワイワイはしゃいで楽しく過す
まあ、人によっては疲れ果てる会かもしれないが

 

ガダルカナル・タカ
たけし軍団

笑福亭笑瓶
笑福亭鶴瓶の弟子

温水洋一
個性派俳優で愛称「ぬっくん」


不思議なもので
ビートたけしの弟子と
笑福亭鶴瓶の弟子を
さんまが面倒をみている

ジミー大西
元々はザ・ぼんちのおさむの弟子だ

岩井ジョニ男
元々は浅田美代子の運転手でタモリの元付き人だ

どういった経緯でこういったメンバーになるのかわからないが
明石家さんまはやたらと面倒見がいいことに間違いはない

 

笑福亭笑瓶を初めて見たのは確か
突然ガバチョ! 』(毎日放送1982-1985)だったと思う
笑福亭鶴瓶のこの番組の中でパントマイムをやっていた
突然ガバチョ! 』は面白かった
『テレビにらめっこ』のコーナーが大好きだった
今ではこういった視聴者参加番組でエネルギーのある番組が少なくなってしまった

 

コロナ禍になってからは
このパラダイスナイトは開催出来なかった
そしてコロナが落ち着いてそろそろ開催できるようになっても
笑瓶は持病を持っていたため
さんまは開催するのを慎重に控えていたという


再びこの会を開催するのを心待ちにしていた笑瓶は
再び参加することなく
亡くなってしまった

明石家さんま
亡くなった笑瓶の遺品となったトレードマークの眼鏡を一緒に連れて行って
今まで笑瓶と共に訪れたお店を
順番に回ると言っていた

不謹慎と捉える方たちもいるかもしれないが
これが芸人仲間への餞(はなむけ)であり
仲間への最大の供養なんだろう


そして
笑瓶が眼鏡で参加する
今のパラダイスナイトのカラオケのラストは恒例の
坂本冬美の『夜桜お七

明け方の薄暗い夜空から
舞い散る花吹雪が
笑瓶の眼鏡に降り積もっていく


笑瓶もきっと笑って楽しんでいる