さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

素敵なフレーズは気づかないだけで、たくさん転がっている、きっと

俺は虹を追いかけるだけの男さ
かなわない夢をいつも
見続けてるダメな奴さ
口先で愛をオモチャにしているという
みんな俺にそういうのさ
だけど君は知っているね
少し疲れてしまった
Kiss Kiss キスをして腕の中
サンキュー

『サンキュー』(明石家さんま/作詞作曲 甲斐よしひろ


明石家さんまの表層的なキャラクターにはそぐわない歌詞かもしれない
しかし、さんまの楽曲の中では結構僕は好きだ

さんまは歌は下手ということを売り物にしてきた
芸人なのでもちろん歌の訓練などしてきていないだろうが
キャッチーなフレーズと覚えやすいワードを作り出す才能がある

「引いて楽しい あみだくじ♪ どれにしようか あみだくじ♪」は
土佐のお座敷遊び唄『菊の花』がルーツなど諸説あるみたいだが
オレたちひょうきん族』において明石家さんまが全国的に流行らせたのは間違いない


「アホちゃいまんねん。パーでんねん。ぱぁ~」
「しっとるケ」も
子供たちも真似しやすく覚えやすいリズムとメロディーだ
これはギャグであって歌ではないと言われるかもしれないが
歌には聞こえなくても
すべての言葉には
リズムと音階はついている

本人は作曲している意識など毛頭無いだろうが
キャッチーでわかりやすいワードを創る才能は抜きんでている

音楽でなくても
「エッチ」「ひとりエッチ」
バツイチ」などの言葉を浸透させたのは
明石家さんま

明石家さんまは技術論や発想能力などを語られることは少ない
明るいキャラクターとわかりやすいツッコミとボケが強調され過ぎてワンパターンと捉えられる傾向にもある
ベタな笑いで自らを張り芸一派と称し
パターン化された笑いが多い
テレビでは特にわかりやすいパターンが多い

ツッコミ、ボケ、のりツッコミ、場の回し
すべてを変芸自在に入れ替わり立ち代わり
すべてやってしまう

さんまのお笑い向上委員会
痛快!明石家電視台』でカオス状態になった時の仕切り方と立ち回りは秀逸だ

踊る!さんま御殿!!』ではゲスト全員をなるべく際立たせるために比較的マイルドにわかりやすく仕切っている

さんまの話術の凄さが一番際立ってわかるのはラジオの『ヤングタウン』だと僕は思っている

僕は音楽は大好きだ
同じように
優れた芸人たちの喋りやトーク
僕には音楽に聞こえる

芸人に限らず僕たちの周りにも
素敵なフレーズは気づかないだけで
たくさん転がっている、きっと


子供が
「パパ、ママ大好き!」と笑って
はにかんで発する言葉にも
音階とリズムはついている

それも間違いなく音楽だ