さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

万物からエネルギーを集めて投げる『元気玉』ならぬ『笑い玉』

 

亡くなった鳥山明の『Dr.スランプ』の連載がスタートした時に読んで子供心に驚いた
絵の上手さが半端ないのだ
キャラクターデザインもメカの造形デフォルメも最初から他とは違い群を抜いていたし
配色センスも抜群だった
当時はまだ子供だったので技術的なことはわからなかったが
絵がめっちゃ上手いと衝撃を受けて読んだ記憶がある

当時の多くの漫画家はGペンで描いていたと思うが
確か鳥山明ロットリングで描いていたと何かで読んだ
ロットリングは製図用の筆記具で太さはいくつか種類はあったが
Gペンのような強弱はつけにくいが均一な線は描きやすい
いわゆる「漫画の描き方」みたいな本にロットリングを使用するとは書いてあった記憶がない
デビュー時からいろんな意味で革新的な存在だった

精密に写実的に描く画力のある漫画家はいるが
鳥山明はデフォルメの巧みさが素晴らしく
三頭身でも八頭身でもバランス良く描かれていて
またマンガのキャラとしての愛敬も備わっていた
すべてにおいてレベルが最初から高かったと思う

ドラゴンボール』が世界に誇る日本のコンテンツであるのは間違いない
もちろん手塚治虫藤子不二雄など先人たちの作品も評価されたが
そのギアを何段も上げて世界に普及させた功績は大きい

生まれ持った才能というのはやはりあるんだな
修練と努力である程度までは力はつくのだろうが
同業の漫画家たちがその才能に驚くのだから相当凄いのだろう

線のタッチ、デッサンと構図
コマ割とネーム
擬音効果、ストーリーとキャラクター
来週も読みたくなるような展開など
マンガ制作には総合的な技術が果てしなく必要だ

そして何十年も作品を生み出し続けて
人気を保つなんて想像を絶する

莫大な印税収入があり
生活における経済的安定は約束されている上で
イデアを絞り出して書き続けるとなると相当な精神力が必要だ

どんな仕事でもそうだが
モチベーションを保つことが一番の困難なことなのではないか

富を得てしまえば
這い上がろうとするハングリー精神は枯渇するし危機感は希薄になる
やはり好きかどうかにつきるのではないか

描いていたい
描きたい
新しい漫画を生み出したい
読者の喜ぶ顔が見たい

最強なリビドーは
やはり「好きだ」ということに尽きる


そして『ドラゴンボール』のアニメは確か水曜日に放送だった
放送開始当初は『オレたちひょうきん族』の収録が毎週水曜日であったため明石家さんまは見たことがなかったという
随分経ってから次長課長井上聡に「面白いから是非読んでみてください」と全巻プレゼントされて読んだという
さんまはMCの仕事が多いため話題に出そうな情報には常にアンテナを張り
若者の文化にも可能な限り興味を示すことは必要なこととしている
好奇心が旺盛で常に笑いのネタになるかもしれないと面倒なことでも自ら大変な方へと作業を選ぶという
そこで少しでも話のネタになりそうなことや面白いことに出会えたたら儲けものだという考えだ
そういったことが刺激になり若さの秘訣になっているのかもしれない


麒麟川島明は体調が悪いときでもさんまと仕事をすると体調もよくなり元気が出てくるそうだ
パワースポットみたいな存在だといっている

誰かと会って元気をもらいたいとは思っても
誰かに元気を与えることはなかなかできない

誰か僕に元気をくれよとおねだりばかりでなく
相手にすがるだけでなく
依存するだけでなく
自然と元気を相手に与えることができたらいいな

やはり自分自身が楽しんで笑っていないと
相手にも笑顔を注ぐことができない
強迫観念で無理に笑顔になるのではなく
そう自然に
親が子供に向ける笑顔が自然で素敵なように

明石家さんまはこの単純なことを普通に楽しんでやっているだけだ
それが『元気玉』となって放出されている

万物からエネルギーを集めて投げる孫悟空の『元気玉』ならぬ

万物から笑いを集めて投げる明石家さんまの『笑い玉』だ