さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

笑いにゴールも正解はない

 

明石家さんまは自分の笑いが一番だと思っているようにみえるかもしれないが
実は人それぞれに笑いの好みがあり
パターンの違いや笑いの違いがあるのはわかっている

自らを張り芸一派と呼び
いわゆるセンス芸と呼ばれるものと違うことはわかっている

アドリブが真骨頂なので
作り込んだ台本をそのまま演じるなんてできないし
コントで一分以上笑いのない演技を続けることにも向いていない

自分大好き人間を売りにしているが
実際は自分のことを客観視している

笑いに正解なんて無いし
完成形のゴールもないものと考えている

スポーツなら
ラソンには必ずゴールがあり
目指すタイムがある
球技ならゴールを入れなければ勝敗はつかない
格闘技ならダウンかポイントを取らなければ勝敗はつかない

では笑いに勝敗はつくのだろうか
キングオブコントやM1では審査員の点数によって勝敗がつくが
ある意味それは一つの基準に過ぎない

技術や新しい発明に相当するネタ
観客の笑いの多さ
斬新な展開
広くみんながわかりやすい笑い
喋りや演技の上手さ
間とリズムの強弱の上手さ など
様々な評価要因がある

でも見る側は技術など関係なく
面白くて大笑いできればよい
どんな手段でも客を笑わせた者が勝ちだ
そして長い年月において笑わせ続ける芸人が本当の勝者といえるかもしれない

笑いの流行もあるだろうし
同じギャクでもずっと笑いを生む芸人もいる
ワンパターンが安定した笑いを生む場合もある

結局は自分がどれだけ面白いと思っても
客のレベルが低くて自分の芸を笑ってくれないと嘆いても
笑いが起こらなければ何にもならない

ここで難しいのは自分自身が面白がらなければ
面白さなんて表現はできないが
自分が大真面目で笑うことと思っていないことが
客からは面白いと映る喋りや動作や行動があることだ

スポーツや格闘技であれば
強さには必ず理由と根拠がある
スピードだったりパワーであったり
瞬時の判断力だったりと

しかし笑いは意図しないところから発生する場合がある
だから笑いに正解はないのだ

笑って楽しければ
その場面と現象が正解だ

もちろん他人を傷つけて笑うことは違う
それは笑いの種類が違う

いや笑いではなく
誰かを下に見下げて
小さな自分を安堵させているだけだ

それは笑いとは対極の感情だ

人を嘲笑う前に
自分自身を嘲笑え

そこから初めて人を笑わすことができる

笑いにゴールはないが
スタートはある