寛平の奥さんが泣きながら
ゴール出来なかった寛平を迎え入れる
その後ろで
帽子を目深にかぶり
日差しで眩しそうに
目を細めるさんまが
その光景を見守る
「スパルタスロン」に寛平が挑んだ時の光景だ
アテネからスパルタまで約246キロを走破する
ギリシャの「スパルタスロン」
この時寛平は途中から
足が豆だらけで歩くこともできなくなり
194キロ付近で
リタイアすることになってしまう
このチャレンジは結果的に失敗に終わったが
走ることが出来なくなった寛平を
泣きながら迎え入れる奥さん
この二人を
さんまが黙って見守る
このシーンを見た時に
それまでもさんまのことが
大好きであったが
憧れのギアが
何段もあがってしまった
とにかくやたらとカッコよかったのだ
1990年代だったと思うが
さんまに一段と惹かれた
忘れられないシーンだ
当時あまり仕事のなかった寛平
「スパルタスロン」のドキュメント番組を
制作するための条件が
さんまが出演することだったらしい
寛平からの出演依頼を
「寛平兄やんの頼みなら行ったんで」と
忙しい中を時間を作って
さんまはギリシャまで来た
さんまにとって寛平は先輩であり
さんまが新人の頃には
寛平の前説をやっていたらしい
さんまは義理堅き男で
若く新人の時に受けた恩を忘れはしない
今ではどっちが先輩か
わからないぐらい
番組や舞台で
寛平はさんまに怒られているが(笑)
この時ももちろんさんまは
涙を流すことはなかったが
寛平の奥さんの後ろに控えて
見守る姿がたまらなくかっこよかった
人の良さにつけこまれ
騙され借金を背負い
苦しい時代もあったらしい間寛平
そんな時期を
一番支えたのは
おそらく、さんまだ
番組レギュラーに呼び
舞台でも共演し
それは今でも続いている
ラジオでは
「このおっさん、なんでこんなえらい目こいて
こんなに必死で走りはるんやろと思うと
おっかしくなってしもて笑えてきてしもた」
なんて言ってはいるが
それもさんま流の照れ隠しだ