さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

笑いを作っている男 と 笑うために生まれた男


『スポーツの出来る奴
勉強のできる奴
ケンカの強い奴
女にモテる奴
そんな人間を羨ましく思った

子供の頃の話である

神が人間をつくったと偉ぶるなら
「それがどうした」 と言ってやる

オレは笑いをつくっている』

ダウンタウン松本人志の1994年のライブ
「寸止め海峡(仮題)」の
エンディングロールで流れる言葉だ

発売された頃はまだVHSビデオで
何度も巻き戻して
このエンディングロールを
繰り返し何度も見た
大好きな言葉だ

元来、松本人志は人見知りで
家庭環境も含めて
幼少期からのコンプレックスが背景にある

浜田雅功が歌った槇原敬之作曲
そして松本人志作詞の『チキンライス』にも
それは描かれている

ビートたけしもそうだが
松本には睨みつけるような研ぎ澄まされた視線がある

人それぞれのコンプレックスがあり
それをバネに這い上がるタイプの芸人は
比較的多いみたいだ


しかし、そういった意味では
明石家さんまはまったく逆のタイプだろう

「この人ほどコンプレックスなどというものから
縁遠い人はまずいないであろう。
彼はまさにお笑いのサラブレッドという道を
歩んできたのである。」
『笑いの現場』(ラサール石井著)


さんまは
コンプレックスとは無縁で今現在まで生きてきた
実際は何がしかコンプレックスはあったのかもしれないが
あったとしても笑い飛ばしていただろう


子供の頃からクラスで人気者
クラスどころか学校で人気者
地域でも人気者

17歳が笑いのピーク
文化祭で各部活紹介を
ほとんど自分ひとりで漫談のように代演して
その時が一番ウケたと
よく語っている

スポーツ万能でリレーの選手
サッカー部で爽やかで
長髪でかっこよく
女子にもモテる
友達を作るのが上手い
笑わすのが上手

社交性の塊みたいな人だ

 

僕は笑いを作ることはできないが
松本人志のコンプレックスの感情にはすごく共感した

逆にさんまには共感ではなく
「いいなあ、僕もそうなりたいなあ」
という憧れだ

人は誰でも同性異性関わらず
自分に無いものを持つ人に憧れ
自分と似たタイプだと
自分の欠点を合わせ鏡で見ているようで
ときにはちょっと嫌悪感を抱いたりすることもある

松本人志が誇りを持って作り上げた笑いも好きだ

さんまが自分自身が面白がりたいから笑いを届け
それが他の人たちを笑顔にさせて
明るさを振りまくサービス精神も大好きだ



僕たちは
そんな笑いを見て
聞いて
浴びて
笑顔になっている

僕たち素人は
プロの芸人ではないので
”笑い”を作ってはいないが
芸人たちを見て
笑いを見て
聞いて
浴びて

そして今現在も

僕たちは今も笑っている