さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

もう一人の自分を作って、いつも自分を見てんねん(さんまの名言)

もう一人の自分を作って冷静に自分をいつも見てんねん
もう一人の自分は必要や
特にこの芸能界では
もう一人の自分を強くすればええねん


さんまからこんな言葉が出てくるのは意外かもしれない
世間的にはお調子者で
自分が大好きで
自分の番組を録画して何度も観て
「面白いなあ、さんまちゃん」と
自分自身を見て笑っているというのが
一般的な明石家さんま像だ

自分大好きで自分の面白さを
堪能しているという単純的側面もあるかとは思うが
もう一人の自分を置いて常に客観視して
微調整や軌道修正をしているのだと思う
そして他人から視聴者からどう見えてるのか
どう面白いのかを
実際には冷静に判断しているのではないか

違和感があったり
失敗だと思ったことは
次の番組収録に反映して
修正したりするのではないか

またディレクターの編集がどうなっているか
カメラのスイッチングとタイミングの確認
ディレクターの編集の好みをつかむためかもしれない

さんまの冷静なコントロール能力は
テレビでは気づきにくいかもしれないが
ラジオを聴いているとよくわかる

いつものように喋りっぱなしではあるが
ものすごく冷静にコントールしている
緩急のつけ方や声のトーンのコントロール
雑に見えて実際はすごく緻密だ

大笑いして大騒ぎしてからの
冷めた声でのオチ
盛り上げたままの明るいオチ
ボケとツッコミを入れ替わりながら
展開が目まぐるしい
隙間がまったくない
だれることもなく
飽きることもない
相当体力のいるトーク

全盛時のビートたけし
オールナイトニッポン
マシンガントークも凄まじかったが
ただ残念なことに
たけしはバイク事故以降のトークスピードは減速した

さんまはいまだに衰えてはいない
昔より緩急のつけ方は鋭くなっている

芸能界において
第一線で走り続けることが
出来ているのは
このさんまのもう一人のさんまが
冷静に見ているからかもしれない

お笑い技術だけでなく
人として
人間として
勘違いしていないか
慢心していないか
傲慢になっていないか
その監視役を”もう一人の自分”が担っている

幸運にも芸能界で成功して
いまだにテレビの世界で活躍させてもらっている
行く先々で応援してくれて
声をかけてくれる人たちがいる

自分と撮った写真を宝物のように大事にしてくれる
自分が書いたサインを宝物のように大事にしてくれている
こんな程度の自分を応援してくれて
笑いを受け止めてくれる

謙虚な感謝の心を保てているのは
もう一人の自分で客観視して
バランスをとっているからに他ならない


僕たちも
迷ったとき
苦しいとき
寂しいとき
腹立たしいとき
落ち込んだとき

もう一人の自分で
俯瞰して客観視してみると
違う自分が見えて
落ち着くことができて
違う道が見えてくるのかもしれない

今この瞬間にまだ生きていることに
感謝できるかもしれない



そしてその先には
笑いがあるはずだ