さんまのチカラ

今までの人生で辛いことがあった時に 少しでも笑いたくて憧れて追いかけてきた

優れた話芸は音楽に聞こえる

 

話芸とは一体なんだろうか
人を引き付けるスピーチ
落語や漫才や漫談など
同じ内容や文書でも
喋る人によって
聞こえ方が全然違ってくる

話芸には文章では表現できないものがある
声・トーン・リズム・間・強弱・演技様々な要素が融合して構成される
”てにをは”が微妙に間違っていても
文法が多少間違っていても
心を打つ話術がある

亡くなった上岡龍太郎の「横山ノックを天国へ送る会」での献杯の挨拶は何度も聞いた

横山ノックの経歴と人生
欠点と長所、趣味や妻のこと
笑いを交えた見事なスピーチになっている
引退してだいぶ経ってからの久しぶりの公の場でのスピーチだったが
やはり喋りのプロってすごいなと思った

話芸は台本が完璧な文章であれば成り立つというわけではなく
声・間・リズム・トーン・緩急・感情移入など
様々な要素が有機的に絡まりあって初めて成り立つものだ

古今亭志ん生などの古典落語の名手の落語を聞くと
話芸なのか個性なのかわからないくらい熟している
技術にみせないところが技術なのだと思う


優れた政治家の人を惹きつけるスピーチも話術であり話芸といえるかもしれない
理屈や論理の整合性よりも先に
人の心に響くかがまず重要だ
どんなに正論でも何か上から目線だったり
この難しい理論があなた達は理解できていますか?みたいなのは
なんかスッと心には響いてこない

型どおりの挨拶よりも
稚拙でも自分の言葉で必死に語りかける言葉は心に響いてくる

人前での話が苦手な僕は
上手く喋ろうと上手く伝えようとすればするほど
あせってとんちんかんな話し方になったり
ゆっくり話しているつもりでも
聞き取りづらい早いスピードで話してしまったり
同じことを何度も繰り返してしまったりする

お笑いに限らず人前で上手に喋って
注目を集めて話術で自分に集中させることができる人には昔から憧れる

だからミュージシャンや芸人に僕は憧れる
話術や音楽で自分を表現できるっていいな

この稚拙な僕のブログの文章において
ほんのささやかでもいいので
何かを表現できたらいいなと思っている

文章には話術では表現できない何かは必ずあるはずだ

話芸にもたくさん癒されてきた
音楽にもたくさん救われたきた
そして
文章にも
言葉にも
たくさん救われて支えられてきた

優れた文章には話術では表現できない要素が詰まっている

話術は耳で読み
文章は目で聞く


僕には優れた話術が音楽に聞こえる